2013年6月18日火曜日

デザインは、まだまだですよ哲学を語るのは・・・

最近話題のiOS7のデザイン変更。グラフィックユーザインタフェースを時代に合わせた変更について、物理学者(Yでは無い)との会話した。
そして、どうも釈然としなかたことが、何となく分かった気がした。

デザインという行為はまだ右も左も分からない赤子であるということ。


まず、宇宙物理学のお話しです。
天文学の歴史は人類の歴史そのものと同じくらいに古い。
紀元前384年アリストテレスは、天体は完全な球形であって完全な円軌道上を動いているとした。一方、この地上は不完全な世界であり、これら二つの世界は互いに無関係であると考えていた。16世紀にコペルニクスが地動説を唱え、ガリレイやニュートンそしてアインシュタインにつながってくる。

最近宇宙は、星やガスなど目に見える物質と、ダークマターと呼ばれる観測できない質量を持った物質で構成される事が分かってきた。
そして、宇宙はビックバンで始まり、やがて自分の質量で収縮に向かうとされていた。
しかし、15年ほど前に新たにダークエネルギーが提唱され、我々の宇宙を構成するものは、下記の3つに分類できる様になった。

 観測可能なもの :4%
 ダークマター  :23%
 ダークエネルギー:73%

そしてこのダークエネルギーは、反発するエネルギーであるため、ビックバンで拡張している宇宙が、縮小に向かうことなく、そのまま加速度的に拡張し続けると言う事になる。

もちろん、ダークマターやダークエネルギーは観測で間接的に説明できている。

アリストテレスから現代まで2300年経っても宇宙物理学は新たな事象が発見され進化し続けている。学問として過去を否定しながら進歩している。


さて、「デザイン」は、いったいどのくらい歴史を積み重ねたのでしょうか?
デザインの語源は、「計画を記号に表す」という意味のラテン語designareらしいです。
ラテン語を語源とすると、ものすごく古いようですが、我々が認識するデザインは、商業的なデザインをデザインと呼んでいます。なぜなら、デザイナーと呼ばれる人はデザインという行為を商売にしているからです。
また、プロダクトデザインの様に、一部のデザインは「量産」を前提にしています。

そうすると、今のデザインの歴史は18世紀の産業革命以降で、アールヌーボー、バウハウス、アーツアンドクラフツなどなどありましたが、せいぜい200年程度と言う事です。
先の宇宙物理学のような他の学問や哲学に比べ歴史も浅く赤子のようなものです。したがって、まだまだ、「デザイン哲学」なんて事を語るには早すぎます。



デザイナーは、先陣のデザイナーの意見や考え方を糧にする事は重要で、積極的に知識として取り込むべきです。
ただし、それは正しいとは限りません。常に新しく進化させるべく、先陣の語る事を否定して進む事も重要です。

デザイン界のアリストテレス、ガリレイ、ニュートンと呼ばれる人がはっきり分かるのは、たぶん2000年後です。

ただし、それでも正しいデザインの手法はみつかっていないでしょう。