2011年3月30日水曜日

日の丸 この素晴らしい旗のもと


『日の丸』震災のあと様々なシーンで見かけるようになり、この旗のもと国民は一致団結しなくてはならない。
戦後生まれの人間には、あまり気に止めなかったこの日の丸が、今、重要な意味をなす様な気がします。

しかし、このグラフィックデザインとしての完成度。完璧と言えるでしょう。

日の丸のデザインに関する賞賛は、様々なところで書かれていると思いますので、掘り下げはしませんが、こんな素晴らしい旗を国旗として持つ国民だったことを感謝したいです。




並べてもすごいんです^^


さて、「白地に赤」だからではないのですが、




この素晴らしい広告デザイン
近所にあった手作りの看板です。度肝を抜かれる単純さ。






大手広告代理店のクリエイターに頼んだら、これに勝るものを提示してくれるでしょうか?
津波が大災害をもたらしました。
そして、いま経済活動にはコストダウンの波が襲っています。 しかし、それを、ものともしない手作りデザイン。です。


日の丸が素晴らしいというお話しでした。
(イデオロギー議論ではありませんので念のため)


2011年3月2日水曜日

iPad 2 がどのようなものであってもAndroidには負けない

映画トロンに出てくるプログラムである「トロン」は「ユーザーの為に働く」という言葉を残しています。 「人の為に働く」のではないのです。

出典:トロン レガシー



「ユーザー・インタフェース」とは、「利用する人に対するインタフェース」です。
「マン・マシン・インタフェース」とは、「機械と人とのインタフェース」です。

どちらの言い方が正しいかは、いろいろ議論はありますが、OSやソフトウェアがらみのものは、トロンの言い分を尊重して、ユーザーインタフェースとしましょう。




この「ユーザーインタフェース」(以降UI)はデザイナーが取り組むべき重要な分野ですが、まだ曖昧な位置づけで捉えられています。


最近は、UIを専門とするデザイナーも増えましたが、今だにプロダクトデザイナーやWEBデザイナーがその経験でUIのデザインに対応してる状況です。

つまりUIデザインという分野はまだ確立しておらず、デザイナーは自信が持てずにいるのです。

この自信の無さは、本物のデザイナーであれば、みんな気がついていると思います。





この自信の無さの本質は、AppleとgoogleのOS戦争が明確にしてくれています。

・ハードとソフトを一つの「もの」として、デザインするApple。
・Googleからソフトの提供を受け、ハード主体で「もの」をデザインするメーカー。

出典:(左)アップル (右)ドコモ


どちらが、「いいもの」をデザイン出来るかは明快です。
どんなに優秀なデザイナーがGoogleのAndroidのことを熟知してデザインしたとしても、アップルのデザイナーによるiOSの熟知度に肩を並べることは出来ません。もちろんハード、ソフト、デザインとが協調して設計する事は、Androidでは無理なのです。
更に致命的な事は、Androidがバージョンアップしてしまうという事実から逃れられ無いということです。
このバージョンアップによる仕様変更をメーカーのデザイナーは、いまのデザインに用意しておくことが絶対にできないのです。



先に示した、「デザイナーがUIデザインに自信が持てない」理由は、その手法や理論が確立されていないという技術論よりも、ハードを無視し、UIデザインだけで成り立つデザインは存在しないということに薄々気がついているからです。



このことから導き出せるのは、「Android端末は、iOS端末を超えることは出来ない」。と言う事です。WindowsがMacOSを抜けないのと同じです。


では、Appleの様にハードとソフトを両方作れれば良いデザインが出来るのでしょうか? 「実はそうではありません」。

AV機器、カーエレクトロニクス機器様々な製品にソフトウェアとハードウェアを同じ企業内で設計・デザインしている「製品」はたくさんあります。

でも、イマイチです。 これは、同じ企業の中で、ハードとソフトの事業縦割りが出来ていたり、どちらかが優位だったり、いろいろ理由で、先ほどのAndroidと似たような状況が存在するからです。






では、なぜAppleでは、出来るのか?

それは、ジョブスがいるからに他ありません。(この説明は必要ないでしょう)




私がイメージするジョブス。

私はApple IIの時代から、Apple社の製品を使ってきました。そして、私のイメージするジョブスのUIデザインに関する根底は2つだと思っています。


それは、「筋を通す事」「単純化する事」です。


この結果、明解で愛せる製品が生まれ、ユーザーは、基本的な使い方を直感の組合せで連想できるようになり、結果としてユーザーマニュアルは驚くほど薄くなります。

さて、本日発表されそうな、iPad 2 は、たぶんマイナーチェンジです。
しかし、iPad 2は今年市場に出てくるAndroidのスレートデバイスに十分優位でいられるでしょう。
なぜなら、Appleだからです。
WindowsマシンもAndroidデバイスも、そのシェアではiOSを上回るでしょう。
しかし、これは、「日産、ホンダ、スバル、マツダのシェアを足して、トヨタを抜いた」*1と言っているようなものなのです。



 ちなみに


最近話題になっているスライドキーボード付きiPhone5です。
私の理解するジョブスは、これを見て激怒するか、笑うかどちらかでしょう。
出典:AppleInsider



 



ほら、そこで、デザインをこねくりまわし、いいと思った機能をたくさん詰め込み、複雑化させ、情報密度が上がり、何となく格好良くなったと思っていると、ジョブスに怒られますよ。





ジョブス無きAppleにジョブスの精神が残ることを祈ります。